吉谷木工所
-ヨシタニ モッコウジョ-
奈良県吉野郡下市町
吉谷木工所は、明治43年(1910年)の創業以来、110年以上にわたり、良質な吉野桧を使った「三宝」をつくり続けてきた木工所です。
神仏への供物を載せる神具として、古くから日本人の暮らしや祈りとともにあった三宝。
そのものづくりを支えてきたのが、桧の一枚板をしなやかに曲げる、職人の「曲げ」の技術です。
長い時間をかけて受け継がれてきた技と文化を守りながら、
吉谷木工所は今、その技術を現代の暮らしへとつなげています。
吉野桧と、受け継がれてきた
「曲げ」の技
三宝づくりが盛んな奈良県下市町。
この地域では、国内でつくられる三宝の約80〜90%が製造されているとされています。
吉谷木工所が扱うのは、古くから日本の暮らしに寄り添ってきた吉野桧。
三宝づくりでは、一枚の桧に細かな加工を施し、木そのものが持つしなやかさを活かして曲げていきます。
長年の経験と研究によって磨かれてきたその技術は、日本遺産にも登録される伝統技術へと受け継がれてきました。吉谷木工所のリーフレットでも、「三宝」を下市町発祥の伝統産業とし、その製作に「挽き曲げ」の技術が使われていることが紹介されています。
木という自然素材と向き合いながら、
一枚一枚、その性質を見極めて形にしていく。
そこには、機械だけでは生み出せない、職人の感覚が息づいています。
110年の技術を、
これからの暮らしへ
吉谷木工所が目指しているのは、伝統をそのまま残すことだけではありません。
三宝づくりで培ってきた「曲げ」の技術を応用し、現代のライフスタイルに寄り添う新しいプロダクトを生み出すこと。
その背景にあるのは、日本で古くから大切にされてきた、感謝や祈願、おもてなしの心を、次の世代へつないでいきたいという想いです。吉谷木工所は、その価値を「室礼」という文化を通して未来へつなげたいとしています。
神具をつくるために受け継がれてきた技術から、
今の暮らしを豊かにする「新具」へ。
長い歴史の中で培われた日本のものづくりが、新しいかたちで私たちの日常へと続いていきます。